
家庭菜園をはじめようとしているけど、「何を育てようか」「どう育てるのかわからない」「ちゃんと育つのか不安」と悩んでいませんか?
栽培するにあてっては様々な準備や知識が必要です。
- 作物への知識
- 土や肥料の知識
- 必要資材の準備
- 手順の下調べ
などなど、言い出したらキリがなく、栽培を始めるのが億劫になる気持ちは痛いほどわかります。
そこで今回は、準備やインプットが億劫になっている方に向けた内容を取り上げてみました。

記事内容は、脱サラ就農を目指している栽培”ど素人”が、家庭菜園(ベランダプランター栽培)をしている様子です。
わたしが栽培を始めるにあたって、
- 作物をどんな基準で選んだのか
- どんな道具を準備したのか
- 何の勉強をしたのか
- やってみて何を感じたのか
などを余すことなく公開しました。

ど素人目線で執筆した記事のため、無駄なウンチクや専門用語もなく、きっと参考になると思います。
目次から興味のある品目を選んでご高覧ください。
九条ねぎ

九条ねぎは、葉ネギの中でも特に人気が高く、家庭菜園でも育てやすい品種として知られています。
葉の内側がねっとり甘く、薬味はもちろん、加熱してもその風味が失われにくく、料理の味を一層引き立てます。

種から育てると1年以上かかるため、わたしは「抜き苗」というモノからスタートしました。
栽培に対するねぎの特性

- 耐寒性に優れている
(生育適温は15~25℃程度ですが) - 乾燥に強い
(水やり頻度は少なめでOK) - たくさんの肥料が必要
- 根が残っていれば再生する
多くの野菜が寒さに対して弱い中、ねぎは寒さに強いのが特徴。
特に冬場の九条ねぎは、甘みが増してとろけるような舌触りになります。
乾燥に強いのも特徴のひとつで、水やりの手間が大してかかりません。

うちは4~5日に1回水やりする程度です。
注意点としては、ねぎは肥料を大量に食う植物である点。

肥料分が無くなると、ねぎの色がどんどん青から黄色へ変わっていくので、追肥が必要になります。
また、ねぎは根が残っていれば、再び生えてくる「再生植物」でもあり、長く栽培を楽しめる特徴も兼ね備えています。

スーパーで根付きのねぎを買えば、ほぼ無料でねぎ栽培を楽しめちゃいます♪(品種はわかりませんが)
栽培に挑戦した理由
栽培に挑戦した理由は以下です。
- 料理への使用頻度が高いから
- 他の植物の病害虫予防になる
- 土壌改良剤にもなる
まず前提として、わたしはねぎが大好きで、よく消費します。

うちでは事あるごとに、ベランダからねぎを収穫するので、日持ちしないカットねぎを毎回買うより経済的になります。
また、ねぎは他の植物の病害虫予防になる点も見逃せません。
- ねぎの病害虫予防効果 一例
- ・独特な香りでウリハムシやアブラムシなどの害虫を寄せ付けない
・拮抗菌と呼ばれる微生物が共生しており、つる割病などの病気を防ぐ
・土壌改良をおこなってくれるため、連作障害に強い

簡単に言うとねぎは、近くで栽培する植物を守り、同じ土に植える次の植物も守ってくれる”騎士”的な存在です。
利用資材

栽培に必要なモノは以下です。
- 長方形プランター
- 石(プランターの底敷き用)
- 野菜用培養土
- 追肥用肥料
プランターは深さ20cm以上、幅30cm以上のモノを用意するといいでしょう。

ちなみにわたしは深さ20cm、幅45cmを使用して6株(1株につき3~4本)植えています。
培養土にはあらかじめ肥料が含まれているため、追肥用肥料はあとから購入してもOKです。

肥料養分に関しては、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8などバランスの良いモノを選ぶと良いそうなので、わたしは「鶏糞」をチョイスしました。
植え付け時期と方法

苗の植え付け適期は、春(3月中旬~4月下旬)か夏(7月上旬~8月上旬)とされていますが、これはあくまでも種から育てた(小さい苗を植える)場合の話。
わたしのように「抜き苗」を植えるだけなら、ぶっちゃけいつでもOKです。

うちは2025年2月9日に植え付けました。
- 植え付け方法
- ①根っこから5~10cmほど上部でカット
②株間15cmで1か所に3~4株まとめて植え付け
③水をやる(土全体に行きわたる程度に)
※根っこが長すぎる場合は、根っこも5~10cm程度にカットしてOK

追肥は2~3週間置きにあげるのが一般的ですが、もう少し感覚を空けてもOK。与えすぎると病害虫が発生しやすくなるため、色が黄色くなってきたら追肥を考えましょう。
栽培を通じて学んだこと

わたしが栽培を通じて発見したことや学んだことは以下です。
- 土を被せた部分が白くなる
- めっちゃ肥料を食う
- ねぎ坊主は早めにカットするべし
- 株が古くなると硬くなる
土を被せた部分が白くなる
アホみたいな話ですが、ねぎは土で覆われている部分が白くなることに栽培途中で気付きました。

「ねぎの青い部分は日焼けだったのか!」と驚いた記憶があります。
めっちゃ肥料を食う

また前述したとおり、ねぎは肥料食いの植物です。

うちで育てているねぎも、最少は青かったのですが、今は黄色がかってきました。
ねぎ坊主は早めにカットするべし

ねぎ坊主とは、ねぎの先に出来る花の蕾のこと。(※別名「トウ立ち」)
ねぎ坊主が出来たねぎは、どんどん硬くなっていくため、早めに摘んでおきましょう。

ちなみに、ねぎ坊主は「てんぷら」にするのが美味しいみたいです。(ねぎ農家さんから最近伺いました)
株が古くなると硬くなる
ねぎは前述したとおり、根がある限り再生する植物です。
ただし、再生すればするほど硬くなっていきます。

わたしのお世話になっているねぎ農家さんでは、3回収穫したら、最終は根っこから引き抜きます。
品質が劣化していくことは、覚えておきましょう。
じゃがいも(十勝こがね)

じゃがいもは、「男爵」や「メークイン」といった王道品種をはじめ、さまざまな品種が存在します。
- じゃがいもの主な品種
- 【キタアカリ】
ホクホクとした食感と、ほんのり甘みがあり、ポテトサラダに適する
【アンデスレッド】
皮が赤く、ねっとりとした食感で、皮ごと料理しても美味しい
【ニシユタカ】
粘質性があり、カレーやシチュー、肉じゃがなどに適する
【インカのめざめ】
小粒ですが、栗やサツマイモのような濃厚な甘みが特徴的
わたしが挑戦したのは「十勝こがね」という品種。
やや粉質かつホクホクとした食感と甘みを持っており、加熱するときれいな黄色になるのが特徴です。

じゃがいもは畑での栽培が基本路線とされていますが、あえてプランターで挑戦してみました。
栽培に対するじゃがいもの特性

- 年2回(春と秋)植え付けチャンスあり
(生育適温は15~20℃程度) - 湿気に弱く腐りやすい
(水やり頻度は少なめでOK) - 日光に当たると毒を生成する
- 生育にたくさんの土が必要
- 市販のじゃがいもの植え付けは避けるべき
じゃがいもは暑すぎても寒すぎても育ちません。
湿気にも弱いため、生育環境はしっかり整える必要があります。
また、じゃがいもは日に当たると、緑色に変色しながら「ソラニン」という毒を生成するため要注意。

成育途中で随時、土を被せる必要があります。
植え付け時は、種苗店やホームセンターで販売されている「種芋」を植えましょう。
スーパーなどで市販されているじゃがいもは食用のため、ウィルス検査や対策もされておらず、発芽防止加工がされているケースもあります。

失敗したくなければ、「栽培用の種芋」を購入して植えるのが無難です。
栽培に挑戦した理由
栽培に挑戦した理由は以下です。
- 収穫後もある程度日持ちするから
- 手間がかかりにくそうだから
- 根菜の経験をしておきたかったから
ねぎと同様に我が家では、じゃがいもを頻繁に消費します。

収穫後も段ボールの中などの冷暗所で保管すれば、3~4ヶ月は日持ちするため、都合の良い使い方ができます。
栽培過程においても、それほど水やりの手間がかからない点も魅力的でした。
他に育てている野菜が葉菜類や果菜類でもあったため、成長過程が目視で確認しにくい栽培を経験しておきたかったのもじゃがいもを選んだ理由のひとつでもあります。
利用資材

栽培に必要なモノは以下です。
- 底の深いプランター
- 石(プランターの底敷き用)
- 草木灰(種芋を切断する場合)
- 野菜用培養土
- 追肥用肥料

プランターは深さ30cm以上、幅40cm以上のモノが必要とされており、わたしは深さ30cm、幅60cmを使用して4個植えました。
じゃがいもは30~50g単位で植え付けるの基本とされているため、大きすぎるモノは半分にカットする必要があります。
カットしたポイントは腐食しやすいため、乾燥させなければいけません。

カットしたポイントは通常、乾燥するまでに数日~1週間ほど要しますが、「草木灰」を切り口に付けておけば、すぐに植え付けることができます。
- 草木灰
- 草や木を燃やして作った灰のこと。
ワラや落ち葉、枯草などを燃やして作られることが多く、カリウム(K)、石灰分、リン酸などが多く含まれています。
追肥用肥料に関しては、培養土にはあらかじめ肥料が含まれているため、あとから購入してもOKです。

肥料養分に関しては、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8のオーソドックスなタイプか、やや窒素分の少ない3:10:10みたいなモノを選ぶと良いでしょう。
植え付け時期と方法
じゃがいもの植え付け適期は、春(2月下旬~3月)か秋(9 月)とされており、生育適温は15~20℃程度です。
じゃがいもの生育期間は100日程度で湿気に弱いのが特徴。

春植えなら梅雨時期前に収穫できるよう、3月20日頃までには植え付けたいところです。
- 植え付け方法
- ①植え付け前に芽出しをする
②1個30~50gサイズになるよう大きいモノはカット
③あらかじめ土に水を含んで混ぜておく
④株間30cmで浅め(5cm覆土する程度)に植える
植え付け前には、ある程度イモから芽を出しておく必要があります。
日光浴をさせると成長が促進されるので、昼間は日当たりのいい場所で管理しましょう。

うちは中々芽が出ず、結局植え付けたのは、種芋を購入してから1ヶ月と10日経った3月20日でした。
カットする場合は、「草木灰を付ける」or「切り口をしっかり乾燥させる」ことも覚えておきましょう。(乾燥させる場合は3日くらいかかる)

植え付け位置は、10cmほど掘った位置に植え付け、5cmほど覆土する程度の「浅植え」でOK。
わたしは無知だったため、15cmほど掘っちゃいました。(きっとわたしの先祖はモグラだったのでしょうw)
栽培を通じて学んだこと
わたしが栽培を通じて発見したことや学んだことは以下です。
- 寒いと芽が出てこない
- 芽が出ない部分(へそ)がある
- 植えると一気に葉が成長する
- イモのサイズで芽(葉)の量が変わる
- 手間が大してかからない
- 袋栽培でも良さそう
寒いと芽が出てこない

わたしの場合、種芋を購入したのは2月9日ですが、結局植え付けできたのは3月20日でした。(なかなか芽が出てこなかったからです。)
2月の気温は2~10℃、3月の気温は5~14℃で推移するなど、気温が低かったことが大きな要因かと思います。

わたしの住む京都では、3月でも雪が降っていたときもあり、昼間は外で日光浴させ、夜は家の中に取り込む「過保護農法」を実践するハメになりました。
日当たりよりも、温度のほうが発芽に影響を及ぼすのかもしれません。
暖かい屋内で管理するのも、方法のひとつとして持っておきましょう。
芽が出ない部分(へそ)がある

基本的にじゃがいもの芽は、実のくぼみから発芽しますが出てこない部分もあります。
親の種芋から養分を送られてきた人間でいう「へそ」にあたる部分です。
へその近くはあまり芽が出ないため、反対側と芽の量に差が生じます。

種芋を半分にカットする際は、芽の量のバランスを整えるために「へそ」を境界に分断しましょう。
イモのサイズで芽(葉)の量が変わる

当たり前かもしれませんが、サイズの小さな種芋から出る芽は基本的に小さくなります。(逆に大きな種芋から出る芽は力強い)

成長速度にも差が出るため、大きな種芋はカットして植え付けるのが無難でしょう。
うちは面倒臭がって、大きい種芋もそのまま植えてしまったため、少し後悔していますw
手間が大してかからない

じゃがいもの魅力は、なんといっても管理が手間がかかりにくい点です。
水分は不足気味でもたくましく成長してくれますし、肥料に関しても追肥タイミングは限定的。

逆に(水も肥料も)やり過ぎると、腐食や病害虫の発生を引き起こしやすくなります。
植え付け後は、芽かきと追肥&土寄せくらいしか特段やることはありません。
ちなみにうちの水やり頻度は5日に1回程度です。
袋栽培でも良さそう

ここまでやっておいて何ですが、袋栽培でもよかったかなと思いました。

袋栽培だと、そもそも底の深いプランターを準備する必要もなく、収穫後のゴミもそのまま捨てることができます。
培養土に関しても、じゃがいも専用の培養土「ポテトバッグ」も販売されており、水はけ用の穴を開けるポイントまで印が付いているため便利です。

手間がかからず大収穫
ポテトバッグで栽培すると収穫量も多いそうなので、初心者にとっても力強い味方になってくれるでしょう。
ミニトマト(千果)

ミニトマトは家庭菜園の登竜門として扱われているほど、初心者向けの栽培品目です。
野菜の中でも屈指の甘さを誇り、比較的収量も取れることから人気を集めています。
- ミニトマトの品種
- 【アイコ】
細長い楕円形が特徴的な、かわいらしいミニトマト。果肉が厚く、ゼリー部分が少ないため、食感・甘み・酸味のバランスが抜群。加熱しても形が崩れにくいので、炒め物やパスタにもおすすめです。
【プチぷよ】
赤ちゃんのほっぺのようなぷにぷにとした食感が特徴。皮が薄く光沢があり、糖度が高く果物のような甘みと風味が魅力です。完熟すると10度以上の高糖度になります。
【千果】
ミニトマトの代表格とされている品種。糖度が高く、バランスの良い味わいが特徴。子どもから大人まで親しまれる味わいで、たくさん収穫できます。
上記の他にも、「イエローシリーズ」などがありますが、わたしが挑戦したのは「千果」です。

安定してたくさん取れるとのことで、初心者らしく郷に従いました。
栽培に対するトマトの特性

- 誘引が必要
- 急激な冠水はNG
(実が割れるから) - 害虫が発生しやすい
(アブラムシやハダニなど) - 発生する病気が凶悪
(対策済みの苗が多い)
トマトはつる性植物のため、上に伸びていけるよう支柱への誘引が必要になります。(本来はホフク性植物とのことで、上に伸ばすのは人間のエゴらしいのですが)

したがってトマト栽培は「支柱」や「誘引ひも」が必要になります。
急激な冠水(水分摂取)にも注意しましょう。
普段から水やりをしていないと、実が引き締まって甘くなるそうですが、水分を一気に与えてしまうと皮が裂けて実がはじけるからです。

定期的な水やり(土の表面が乾いたらやる程度)は、必要と考えておきましょう。
アブラムシやハダニといった害虫が発生しやすいのも、トマト栽培の特徴のひとつ。
アブラムシやハダニは光合成のもとになる葉を食べるため、放置しておくと生育不良を起こします。注意しておきましょう。(葉の裏側によく発生します)

うちでは害虫予防のテストとして、重曹を100倍に薄めた水をスプレー散布しています。
また、トマトは病気にかかってしまった場合も強烈です。
発生する確率は低いものの、青枯病(あおがれびょう)やうどん粉病などは発生してしまうと、全滅リスクや拡散リスクが極めて高くなるため、覚えておきましょう。

菌の伝染を防ぐためにハサミを使わない(もしくは毎回消毒する)などの対策が挙げられます。
ちなみに、トマト苗が「接ぎ木苗」であるケース多いのは、こういった病害虫を防止するためでもあります。
- 接ぎ木苗とは
- 2種類の植物を接ぎ合わせ、1つの苗として育成したもの。
台木(根の部分)と穂木(地上部分)を繋ぎ合わせることで、それぞれの植物の良いところを活かし、より丈夫で病気に強い苗を育成できます。
栽培に挑戦した理由

栽培に挑戦した理由は以下です。
- トマトが好き
- 初心者の栽培におすすめされている
- 中玉or大玉トマトに比べると難易度が低そう
- 1株でたくさん取れそう
もともと初心者向けの栽培品目としてミニトマトは有名です。
わたし自身、トマトの消費量は多く、夫婦ともに弁当のおかずとして欠かせないモノになっています。

病害虫対策された苗が販売されているケースが多く、初心者でも安定して収量が取れそうなのが魅力的でした。
大玉トマトは少々難易度が上がりそうなので避け、ミニトマトがうまく栽培できたらステップアップしたいと考えています。
利用資材

栽培に必要なモノは以下です。
- 底の深いプランター
- 石(プランターの底敷き用)
- 野菜用培養土
- 支柱
- 誘引ひも
- 追肥用肥料

プランターは深さ30cm以上、直径30cm(10号)以上のモノが必要とされており、わたしもそのサイズを購入しました。
誘引用のひもは何でもOKですが、支柱は1.5mくらいのモノを準備しておいたほうが無難でしょう。(大人の背丈くらいまで伸びるので)
追肥用肥料に関しては、培養土にはあらかじめ肥料が含まれているため、あとから購入してもOKです。

肥料養分に関しては、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8のオーソドックスなタイプか、ややリン酸分の少ないモノを選ぶと良いでしょう。
リン酸は水で流れにくい性質があり、葉や根の成長を弱らせないために窒素とカリを切らさないようにするのがポイントだからです。
うちは住友化学の液肥を購入しました。(1回あたりの使用量も少なく、経済的です)

トマト栽培にちょうどいいバランス
植え付け時期と方法

トマトの植え付け適期は、春(4月~5月上旬)とされており、生育適温は15~25℃です。(霜の心配がなくなった頃が植え付け適期)
トマトの生育期間は60日程度と、比較的早く収穫までたどり着けます。

急な冠水が予想される梅雨時期には収穫できる日程で植え付けるのがおすすめ。
- 植え付け方法
- ①植え付け箇所に10cmほどの穴を掘る
②支柱を立てる
③苗を植えて覆土(浅めでOK)
④たっぷり水をやる

植え付け後はいち早く根が活着するように、1週間ほどは毎日水をたっぷりやるのがおすすめ。(早く根が活着すれば安定します)
ちなみにうちは4月19日に植え付けました。
支柱は3本セットを購入し、螺旋状に誘引できるよう苗を”斜め”に植え付けました。(支柱キットは一瞬で組めて、めちゃめちゃ楽でした)

栽培を通じて学んだこと
わたしが栽培を通じて発見したことや学んだことは以下です。
- 苗の良し悪しの見分け方
- 脇芽取りが必要
- 受粉作業が案外カンタン
- 本来トマトは匍匐(ホフク)性植物
- トマト用培養土などもある
苗の良し悪しの見分け方
苗にも良し悪しがあるのですが、わたしが意識した点は以下です。
- トマト苗の良い苗の見分けポイント
- ・茎に「うぶ毛」がたくさんあるか
・根がモジャモジャか
・背丈が低めか

総じて言うと、”じっくり”育てられたかどうかが大事です。
実は、茎に生えているうぶ毛は「根っこ」です。
トマト苗は水分量を絞った状態で育てられると、空気中からも水分を取ろうとしてうぶ毛(根っこ)が生えます。

同時に根がモジャモジャになり、苗の背丈も低くなるので、定植した際にしっかり成長してくれます。
- 苗の背丈が低いほうが良い理由
- 植物が間延びすることを徒長(とちょう)と言います。
伸長成長が勝り、内容の充実を伴わないため、病気に弱く植え痛みしやすい傾向になるからです。
わき芽取りが必要

- わき芽とは?
- 茎から新たな茎が生えてくるモノとは別に、その間から生えてくる茎のこと。
その「わき芽」を取ることを”わき芽取り”と言いますが、取らずにわき芽も成長させれば、実の収穫量が増えます。(2本仕立てや3本仕立てと言います)

しかし、生えてきた茎や実すべてに栄養分が行きわたるほど、トマトは強くありません。
わき芽を取らないと、生育不良が起こったり美味しくないトマトになる可能性が高まることは、覚えておきましょう。

プロは上手にわき芽を残していきますが、「素人はいきなり欲張ってはいけない」と心に言い聞かせながら、手あたり次第取っています。
受粉作業がカンタン

トマトは花が落ちて実が成る植物のため、受粉させる必要があります。
勝手に受粉してくれることもありますが、トマトの花の寿命は3~4日程度。必ずしもその間に受粉してくれるとは限りません。
少しでも成功確率を上げたいのであれば、受粉をお手伝いしてあげてください。

作業はカンタン。花を手でトントンと揺らしてあげるだけ。
晴れの午前中が一番花粉が新鮮で受粉しやすいため、なるべく朝一にやるようにしました。
電動歯ブラシでする方もいたり、トマトトーンという専用の農薬を利用される方もいたり方法は様々ですが、何らかの形で受粉は促してあげましょう。
本来トマトは匍匐(ホフク)性植物
栽培時は上に伸びるトマトですが実は、本来は地を這う匍匐(ホフク)性植物です。
ただそれでは収穫もしにくいし、病害虫にかかりやすいということで、上に上に伸ばすことになりました。

トマトを上に伸ばしているのは人間のエゴということ。
トマト用培養土などもある
じゃがいものポテトバッグのように、トマトにも専用の培養土があります。

そのまま袋栽培もできちゃう
根腐れしにくいミニトマト用の培養土

どちらも植え付け後にすぐ効く肥料、あとからゆっくり効く肥料を配合しており、ミニトマトなら第5段果房くらいまでは、追肥無しで水だけで育てられるそうです。
どちらも使用後は「燃えるゴミ」として処理できるため、土のやり場に困ることもありません。(なんと便利な)
栽培してみた感想と発見

これらを実際に栽培してみた感想や発見は以下です。
- 予想通りにいかない
- 病気の種類の多さに驚き
- やればノウハウはあとから入ってくる
予想通りにいかない
まだまだ栽培ど素人ですが、すでに自然を相手にする難しさを感じています。
たとえば、じゃがいもの場合は2月の後半に植えようとしていましたが、結局発芽せず(おそらく気温の問題)植え付けできたのは3月でした。

じゃがいもの芽がなかなか出ず、日中は外で日光浴をさせ、冷える夜は家の中に入れる過保護農法を実践していた日々を思い出しますw
植物は累積温度ベースで変化するそうですので、温暖化によって過去に培った栽培ノウハウが効かなくなってきているとも言われています。
- 累積温度とは
- たとえば例年より平均気温が1℃上昇した場合、作物にとっての影響は1℃ではなく、「1℃×栽培期間」になります。
トマトであれば栽培期間は60日程度なので、60℃の変化を受けるということ。
農業もアップデートし続けないとやっていけない生業なのだと感じました。
病気の種類の多さに驚き
病気の種類の多さにも驚きました。
- そうか病
- じゃがいもに発生しやすい病気で、実に斑点が生じる。
対策としては、種芋は専用のモノを使い、土壌消毒をすることが挙げられます。もちろん連作も避けること。 - べと病
- ねぎに発生しやすい病気で、葉に斑点や白カビっぽいモノが発生します。1度かかるとほぼ治りません。
農薬散布が主な対策になるそうですが、肥料過多になると葉が弱るため、肥料をやり過ぎないようにすることも重要です。 - 青枯(あおがれ)病
- トマトやじゃがいもに発生しやすい病気で、かかると茎葉がしおれます。
土壌中の病原菌が主な原因になりますが、茎葉から侵入することもあるため、芽かきやわき芽取りを行う際はハサミを使用しない(もしくは次の位置を切る前に毎回消毒する)ほうが無難でしょう。
病気に強い”接ぎ木苗”を利用したり、土壌を消毒するなど清潔な状態を保っておくことが重要です。
上記はほんの一例に過ぎず、他にもたくさんあります。

プロの農家さんが安定して狙った時期に収穫する凄さを感じました。
やればノウハウはあとから入ってくる
栽培方法がわからなくても、まずは始めてみることが重要だと感じました。
人間の目や脳は、自分にとって関係のある情報を収集するようにできています。
フラッと寄った本屋さんでは土や栽培の本が目に入り、YouTubeでは農家さんのチャンネルばかりが最近はレコメンドされます。

知識のない状態からちゃんと育てられるか不安でしたが、育てだしたらインプット癖もつき、勝手に情報も入ってくるようになりました。
「百聞は一見に如かず」といった言葉があるように、実際にやってみることが一番の教養になります。
栽培に興味を持った方は、インプットはほどほどに、まずは始めてみましょう。
まとめ
現在わたしが育てている野菜と栽培品目ごとに感じたこと(要約)は以下です。
- 九条ねぎ
- 抜き苗を切って植えるだけだから、驚くほど簡単。
欲しいときにカットして収穫すればいいので、非常に便利。
肥料食いの植物のため、追肥が重要。 - じゃがいも(十勝こがね)
- 気温が低かったこともあり、芽出し作業に気を遣った。
水やり頻度が少なめでいいため、植えてからはかなり楽。
土の中で育つ品目のため、目視確認できず土寄せと追肥の効果が正直わからない。 - ミニトマト(千果)
- もともとは匍匐(ほふく)性植物であることに驚いた。
家庭菜園初心者向きの品目ではあるが、手間がかからないのではなく、苗の選び方、受粉のさせ方、病害虫対策など、「栽培の基本」が詰まっていると感じている。
わたし自身は、病害虫や肥料を与えるタイミング、水やり頻度などを理解しないまま始めましたが、意外と植物はちゃんと育ってくれます。
栽培ノウハウひとつを取っても、いろいろなノウハウがネットや書籍などに落ちており、栽培を容易にする”便利グッズ”も世の中にたくさんあることも知りました。

あとは実践の中で感じたことをアウトプットしながら、経験を積むだけです。
作物をつくり出せる力は、人生における「リスクヘッジ」にもなります。
2025年5月現在は、コメの高騰が世論となっていますが、農家の方の間ではそれほどダメージとなっていません。(農家コミュニティで物々交換や、コメを自作しているからでしょう)
テクノロジーの進化はしているものの結局のところ、モノづくりには人間の(脳も含めた)リソースがかかります。
そういった意味でも若年期に栽培技術やノウハウを修得しておくことには、一定の合理性があるのではないでしょうか。

ぜひ一緒に家庭菜園や農業に触れていきましょう。できれば情報交換できる仲間も増やしたいです。
本記事が栽培をはじめるキッカケや、参考になれば幸いです。

なお、本記事は新たに学んだことを更新していきますので、よかったらブックマークもしてください。コメントや質問もお待ちしております。
余談ですが、この記事は家の天井から「水漏れ」が発生している中で書き上げました。
それこそ血の滲む思いで。(滲んでいたのは天井と床でしたがw)