【みすぼらしい格好をしているくらいで丁度いい】先輩農家から伺った学びのある言葉

※本記事は、15年勤めた会社を脱サラして農家を目指すことを決めたサラリーマンが、休日に(アルバイトや研修生として)お世話になっている農家さんとの会話のなかで「印象に残っている言葉」を取り上げたモノです。

何気ない会話のなかでも「とある言葉が残っている」といった経験はありませんか？

親・友人・先生・恋人・先輩・師匠など相手がそのつもりでなくても、自分自身にとっては「戒め」としたり「参考」としたりする言葉はあるのではないでしょうか。

自身の視野を広げるモノもあれば、考え方が柔軟になるようなモノもあるため、アウトプットを兼ね、読者様にも共有しようと思い本記事の執筆に至りました。

農業従事者として地位やポジションを確立されている方は、何をどのように考えているのか。

はたまた人生において、何が重要なのか、どんな角度で物事を捉えているのか。

今回は、年商約4億円のねぎ農家さん(農業法人)のお父さん(御年80歳の会長)の「印象に残っている言葉」を紹介いたします。

「みすぼらしい格好をしているくらいで丁度いい」の言葉の主

まず年商4億円のねぎ農家さんの概要について軽く説明します。

圃場の総面積は約20ha(約200,000㎡)。従業員数はパートさんを含めると40名。農機もたくさん揃っており、肥料や資材などが山積みしてあるなど、京都の中でも屈指の規模の農業法人と言えるでしょう。

言葉の主でもある「お父さん(御年80歳)」は、すでに社長の座を退いており、息子さん(御年50歳)に継承されています。

ただし出荷作業員として毎日勤務されているため、作業の合間に従業員の方やわたしともお話する機会があります。

そこでよく耳にしていたのが「みすぼらしい格好をしているくらいで丁度いい」という言葉でした。

「みすぼらしい格好をしているくらいで丁度いい」の真意

何かで成功すると人間は、気持ちが高ぶり生活に変化が出ることもあるでしょう。

大金を手にすれば、高級タワマンに住んだり、高級車に乗ったり、装飾品や身なりが変わったりすることが、その典型ではないでしょうか。

そんな中お父さんは、土の跡が取れていない「ポロシャツ」でいつも生活されています。

車も日産のマーチを愛用されているなど決して裕福には見えません。

こんな話もされていました。

以前、兄弟に家をプレゼントしようと建築業者に対して「建築費も含めて全額”キャッシュ”で払う」と伝えたところ、その業者から「帰ってくれ」と言われたそうです。(金額はおそらく数千万円でしょう)

お父さんはこう続けました。

もちろん、お父さんは身なりを気にすることもなければ、車やステータスを気にする方でもありません。

そしてそのあとにポロっとおっしゃったことが、例の言葉です↓↓

「情けない格好をしているくらいのほうが、周囲が助けてくれる。」

突き刺さりました。

話を受けて感じたこと

確かに、目の前に自身より弱い立場の人間がいれば、人は応援したり手を貸そうとしたりするケースが増えるでしょう。

しかし逆に裕福そうな人がいた場合、わざわざ助けようとはしませんよね。

なんなら嫉妬深い卑屈な方であれば、裕福そうな方に対して「嫌悪感」を持つ可能性もあります。

この話を受けたときに、なぜお父さんが博識で周囲に恵まれているのか、がわかった気がしました。

人の心理や真理を理解されており、自身が立つべきポジションを見極めることの重要性の輪郭が浮き上がったようにも見えました。

ある程度の成功をおさめると、放っておいても周囲がチヤホヤしてくるでしょう。

しかし、そんなときでも勘違いせず、驕らず、謙虚に行動することが大切であることを心に残しておきたいと思います。

結び

「誇示」や「ひけらかし」をしても良いことがないことは、多くの方が知っていることでしょう。

それでも「みすぼらしい格好」や「情けない姿」「謙虚な状態」でいるのは難しいことだと思います。

わたし自身は、まだ何者でもありませんが、仮に富を築けたり名を馳せたりできたとしても、お父さんのおっしゃった「みすぼらしい格好をしているくらいで丁度いい」という言葉は常に意識しておきたいと感じました。

• 「富貴にして驕らず」
• 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
• 「能ある鷹は爪を隠す」

周囲に何かを提供できる人間であるとともに、周囲から支えていただける人間でありたいものですね。