- 自分で料理をすれば外食費が浮く
- 自分で修理をすれば修理費用がかからない
- 自分で記帳をすれば税理士費用がかからない
- 自分で子どもの宿題を見れば家庭教師代が浮く
- 自分で配達すれば配送費用がかからない
こんなことを考えたことはないでしょうか。

資本主義で成り立っている世の中においては、誰か(もしくは機械)に何かをやってもらう場合は「お金」がかかりますよね。
事業をであれば費用をおさえたい思いが出てくるでしょうし、家庭であればお金がかからない方法を優先しがちにもなるでしょう。
特に”開業直後”や”結婚直後”などの「〇〇直後」においては資金繰りが悪く、「自分でやればタダ」という感覚が強くなる方が多い印象を受けます。
単なる「倹約家」という言葉で片付けることができるかもしれませんが、今回は「自分でやればタダ」という感覚の“真理”について迫ってみたいと思います。
わたし自身は「簿記」や「FP」といったお金関係の資格を保有しつつ、様々な事業や人を通じて「考え方」についても学んできました。
結論から言うと、「自分でやればタダ」という感覚をお持ちの方は以下の状態に当てハマります。
- 自分の時間を軽視している
- プロのスキルや知識を軽視している
- お金の使い方の上達機会を放棄している

極論を申し上げると、成長余力も拡大余力もない、信じられるのは”お金だけ”という寂しい状態です。
もちろん解決方法や中和する方法も紹介します。
自戒の念も込めて執筆いたしましたので「自分でやればタダ」という感覚に少しでも心当たりのある方はご高覧ください。
「自分でやればタダ」という考え方の代表例
まずは「自分でやればタダ」という感覚の代表例を見ていきましょう。
一般家庭に散見される例

- 料理は得意じゃないけど毎日自炊
- 自分で引っ越しをすれば業者費用が浮く
- 自分で子どもの宿題を見れば家庭教師代が浮く
- 面倒くさいけど床が汚れてきたから掃除機をかける
- 自分で写真を撮ればカメラマン費用が浮く
- ネットで注文するより安いから買い物に出かける
いずれも人や機械などに頼れば、自分の手間が減ったり無くなったりすることですが、経済的観点から自分ですることを選択している状態です。
もしくは「自分でやったほうが早い」「自分でやったほうが上手くできる」といった考えをお持ちの場合もあります。
農家に散見される例

- 自分で宅配すれば配送費がかからない
- 自分で袋詰めをする
- 機械が壊れても自分で修理する
- 播種は手動で行っている
- 販路は個人に直売している
わたしは現在、農家さんのもとでお世話になっていることもあって取り上げてみました。
こちらも上記と同様に、経済的観点から自分で行う選択をされているケースが多く見られます。
「自分でやればタダ」の心理に潜む真理

では上記のような費用をかけない考え方についてもう少し深掘っていきましょう。
結論から言うと「自分でやればタダ」という感覚の強い方は以下に当てハマります。
- 自分の時間を軽視している
- プロのスキルや知識を軽視している
- 投資スキル向上の機会を捨てている
自分の時間を軽視している

「自分でやればタダ」思考の方は、お金に注視するがあまり「自分の時間」というリソースを忘れがちです。
たとえば「自分で料理をすれば外食費がかからない」といったケースであれば、わかりやすいかもしれません。

自分で料理をした場合に要する時間を以下のように仮定すると、トータルで「3時間30分」自分の時間を失っていることになります。
- 「自分で料理をすれば外食費がかからない」という考え方で失う時間
- ・食材調達に30分
・メインのおかず調理に1時間
・サラダ調理に30分
・スープ調理に30分
・その他準備や片付けなどに1時間
⇒トータル3時間30分
「レシピの確認時間」や「アイデア調達時間」を含めると、もっとかかっているかもしれません。
もうひとつ今度は「自分で配達すればタダ」について考えてみましょう。
これは工場や農業などの「モノづくり」を行っている経営体に見られる光景です。

それぞれ必要時間を以下のように仮定すれば、トータルで「2時間30分」自分の時間を失っていることになります。
- 「自分で配達すればタダ」という考え方で失う時間
- ・梱包資材を調達するのに30分
・梱包作業に30分
・配達するのに往復1時間
・受け渡し時の談笑に10分
・ガソリン給油に10分
・休憩に10分
⇒トータル2時間30分
お客様のところに向かうための、車や身なりなど「体裁を整えるための時間」や「混雑時間」を含めると、もっとかかっているかもしれません。
仮に上記のようなこと(平均3時間を失うこと)を2日に1回ペースでやっているとするなら、年間で547.5時間(労働時間を1日8時間とするなら68日相当)を失うことになります。
時間=(イコール)生命資源です。

自分の時間を使うということは「命」を削ることと同義であることは認識しておきましょう。
知り合いの経営者さんからは「自給5,000円以下の仕事はしない」というお話を伺ったこともあります。
失った時間は取り戻せないことは、念頭に置いておきたいところですね。
プロのスキルや知識を軽視している

プロはなぜプロなのか?と考えてみましょう。
プロは一般人より早く、高い質でその作業をできるからプロなのです。
「料理」であれば、プロなら一般人がやるより断然早くて美味いモノを提供してもらえるでしょう。
「配達」であれば、プロなら様々な取引先から荷物をまとめて配送ルートを最適化するなどして、一個あたりの荷物にかかるコストを低減してくれるでしょう。
そして、そのプロになるまでにかかったコストも忘れてはいけません。
- 学校に通った
- 修業した
- 本を読んだ
- たくさん経験をしてきた
などといった「時間」や「お金」も、プロがかけてきた「コスト」なのです。

「合理的(効率的)にできるのがプロである」という前提を忘れているのも、自分でやればタダ思考の方の特徴と言えるでしょう。
投資スキル向上の機会を捨てている

何でも自分でやろうとする方は、必然的に投資が上手くなりません。
お金は失いませんが、代わりに「お金の使い方が上手くなる機会」を捨てているからです。
「投資をする資金がない」という意見も良く耳にしますが、投資をした場合に明日を生きるための生活費や事業の運転資金が無くなる方は皆無でしょう。

「投資をする資金がない」とおっしゃる方の真理は、資金がないのではなく、そこに「お金を使いたくない」という感情が生まれているに過ぎないのです。
何にでも言えることですが、自分の理想とする未来を手に入れようと思ったら、先出しで何かを投資する必要があります。
手元にある1万円をどのように使ったら、
- どのような効果を得られるのか
- 価値を最大限に発揮できるのか
- 未来へとつなげることができるのか
というように考えられるのが「経営者」であり、「成長できる人」でもあります。

逆に手元のお金を使うことを恐れ、投資できない人は「知識」も「技術」も「人脈」も身に付くことはありません。
「後出し」で上手くいくほど、この世は甘くはないのだから。
「自分でやればタダ」という考え方を改善する方法

もしかしたら、この記事を読んだだけでも真理が理解でき、「自分でやればタダ」という考え方を改善もしくは中和されるキレ者がいるかもしれません。
しかしあえてここから先は、「中和」を含めた「改善」につながる考え方を紹介いたします。
- 考え方を改善する方法
- ・自分の「時間単価」を計算してみる
・プロが提供してくれるモノを可視化する
・自身の進みたい道を再考する
自分の「時間単価」を計算してみる

「自分でやればタダ」というのは、あくまでも出金がないという話であって、自分の時間は大きく失っています。
優先順位が「お金>自分の時間」という状態になっているのでしょう。
なのでオススメは自分の「時間単価」を計算してみることです。

「時間単価」を算出すれば、「お金」という同じ土俵に上げることができるからです。
給与収入を得ている方であれば、
- 自身の手取り金額を算出して
- 費やした時間(通勤時間も含む)で割る
自営の方であれば、
- 自身の手取り収入と家事按分したような費用を足して
- 費やした時間(通勤時間も含む)で割る
といった式で簡易的に自分の「時間単価」を計算できます。
仮に自分の時間単価が1,500円だとしましょう。
たとえば自分でやれば5時間かかる(1,500円×5h=7,500円)作業が目の前にあり、プロに頼めば5,000円で注文できます。

この場合、どういう判断が合理的なのか?は一目瞭然ですよね。
ちなみに、知人の経営者さんは「自給換算で5,000円以下の仕事はしないようにしている」と伺ったことがあります。
非常に大事な感覚であることが伺えました。
プロが提供してくれるモノを可視化する

投資ができない方は得てして「想像力」に欠ける傾向があります。
サービスを売る側の人間も、購入者にとってどんなメリットがあるのかを伝える必要はありますが、購入者自身も想像できるに越したことはありません。
たとえば食事について挙げてみましょう。
自炊する場合は、「3時間30分」の時間を費やしていることになります。
- 食材調達に30分
- メインのおかずに1時間
- サラダに30分
- スープに30分
- 食事時間30分
- その他準備や片付けなどに1時間
もちろんレシピの確認や献立を考えるためには「時間」と「ストレス」も感じるでしょう。
しかし料理屋さんで食事をするなら、飲食店までの移動時間を30分と仮定した場合、「3時間」が余暇として生まれることになります。
もちろんレシピの確認や献立を考える「ストレス」もかかりませんし、「会話の機会」も生まれるでしょう。美味しいお店だとしたら、知人に紹介できる「リスト」も手に入ることになります。
つまり、シェフは以下のような商品を提供してくれていることになります。
- シェフの提供してくれたモノ
- ・「3時間」という時間的余力
・片付けや準備にかかる「ストレス」の除去
・味覚の充実感
・家族や友人、シェフなどとの会話機会
・知人にも紹介できるグルメリスト
「3時間」あれば、バイトをして3,000~5,000円を稼ぐことだってできますし、「学び」や別の「体験」に時間を当てることだってできるでしょう。(食事代だってペイできそうではありませんか?)

素人では出せないコスパやタイパを出しているのがプロです。価値を感じましょう。
もちろんロボット掃除機などに代表されるような「機械投資」についても、同様の考え方で展開できますので、挑戦してみてください。

ちなみに、わたし自身はしっかり自炊しています。(どやねんw)
理由は「健康」を優先しているからです。
プロのスキルに敬意はありますが、食べ物は身体の中に入れるモノでもあるため妥協はしたくありません。
このように自身のリソースを使ってでも優先したいことは優先してください。
逆に「〇〇しなければいけない」と感じていることであれば、プロや機械に頼る方法を模索したほうが得策と言えるでしょう。
自身の進みたい道を再考する

多くの方は「〇〇しなければいけない」といった思い込みをお持ちです。

思い込みをするのは「責任の所在を自分にしたくない」という本能があるからです。
- 漫才をせずにバイトばかりしている「お笑い芸人」
- 作業時間より配達や機械を修繕している時間のほうが長い「農家」
- 記帳に手がかかって生業とするサービスの販売が疎かな「個人事業主」
- 外に働きに出たいはずなのに家事ばかりしている「主婦」
これらは本人からしたら「〇〇しなきゃいけない」といった状態ですが、外部から見たら「違和感」を感じることでしょう。
大事なのは、自分が「何をしたいのか」ひいては「何に時間を使いたいのか」を明確にすることです。
残念ながら人間には寿命があり、目の前にある事柄すべてに自分の時間は使えません。
だからその時間を補うために、助けてくれる人やサービスがあって、そこに交換価値のある貨幣や紙幣が存在するのです。

「何にお金を使うのか」というのは、自身の”人生設計”と言っても過言はないでしょう。
「自分の人生をどうしたいのか」が決まっていないと判断を「他人」や「外部環境」に委ねることになります。
そこに主体性はありません。
【まとめ】お金は使わなきゃ使い方が上手くならない

まとめると「自分でやればタダ」という感覚の考え方の「真理」は以下です。
- 自分の時間を軽視している
- プロのスキルや知識を軽視している
- 投資スキル向上の機会を捨てている
これを解決するには以下のようなアクションが必要になります。
- 「自分でやればタダ」という考え方を改善する方法
- ・自分の「時間単価」を計算してみる
・プロが提供してくれるモノを可視化する
・自身の進みたい道を再考する
今回は「自炊」の例で挙げてみましたが、本質は同じです。
生活であれば、自分が快適に暮らせるように考えることが重要です。
ビジネスであれば、自分が何のプロであり、お客様にとってどう役立ちたいのかを考えましょう。
お金をかけたくないあまりに、やりたくもないことをやる人生が幸せになるのでしょうか。
お金をかけたくないあまりに、自分が「力」を発揮しにくいことで時間を消費するのが最適な選択なのでしょうか。
あとから考えれば「お金を払えば解決できる問題だったな…」となっても、その時間は取り戻すことはできません。

大事なのは「主体的」に人生を自分で選択していくことであり、「〇〇しなければいけない」という考えはタダの人生放棄です。
お金をかけたくがないあまりに、自身の理想には程遠い方はたくさんいます。
現状が続くことを望んでいるのなら、そのまま生きていけば良いと思いますが、そうでないのなら考えましょう。
- 外注化できる作業はないのか
- パートを雇ってできないか
- 機械を導入して自動化できないか
- そもそもそれは自分のやりたかったことなのか
- もっと人生を充実させる方法はないのか
大抵は「お金」の問題がつきまとってきますが、そこを考えることが人生の醍醐味でもあります。

お金は使わなきゃ、使い方が上手くなりません。
人に任せることや、機械を上手に使うこと、ひいては自分が動かなくても物事を進めることはスキルです。
「お金が使えない」もしくは「お金を使うのが怖い」と感じていればいるほど、お金しか信用できるモノがないことを意味します。
本来使うツールであったハズのお金に支配されている状態と言って差し支えないでしょう。

そうならない為にも、「お金を使う経験」と「生き方(何にお金を使って自分を補うのか)を決めること」は、できるだけ若年期に経験しておきたいモノですね。
「お金は天下の回りもの」とは良くできた言葉だなと、つくづく実感する次第です。
わたしも「自分でやればタダ」というのは良く考えてしまうことだけに、自戒の念も込めて執筆してみました。
御年38歳のややおじさんが語るには壮大なテーマでしたねw
