【京都から滋賀へ】脱サラ就農計画を練り直し中の男が取ったアクション

【京都から滋賀へ】脱サラ就農計画を練り直し中の男が取ったアクション

脱サラして活動拠点や生活拠点を変更!

こんな大胆な計画を立てていませんか?

本記事を執筆しているわたしもその1人に該当するかもしれません。

わたしは現在、京都の工場に勤めるサラリーマンですが、2025年12月をもって15年勤めた会社を退職し「農家」になろうとしています。

これまでは会社に勤めながら、休日に2ヶ所の農家(いずれも京都)で農業体験をさせていただいていたのですが、視野を広げるべく滋賀県での活動も検討することになりました。

具体的なアクションとしては、滋賀県の「農業担い手育成基金」と「市役所」に農業相談に伺いました。

今後、就農するにあたって(実家が三重県に位置する)妻のことも含めると、「京都で研修を受けるより、滋賀県で研修を受けたほうが都合が良いのではないか?」と考えるようになったからです。

背景は以下の記事をご参照ください↓↓

まだ現在も「どういった方向で進めていくか」は悩んでいる最中ですが、

  • 同じく農家になろうとしている方
  • 今までと違う環境に身を置こうとしている方

にとっては、「わたしの考えや行動が何かの参考になるかもしれない」と思ったため、アウトプットいたします。

結論から申し上げますと、農業担い手育成基金」と「市役所では、滋賀県の農業事情を教えていただき、最終的に「提携先の農家さん」をご紹介いただけました。

こるきち
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実際に現地の方から「滋賀県の農業事情」についても伺うことができたため、イメージもしやすくなりました。

一部始終を掲載いたしましたので、ご高覧ください。

「農業担い手育成基金」で伺った内容

滋賀県農林漁業担い手育成基金

正式名は「公益財団法人 滋賀県農林漁業担い手育成基金」。(「滋賀県農業教育情報センター」という建物の中にありました。)

カンタンに言うと、滋賀県で農業や漁業をしたい方、もしくはすでにしている方を支援することを目的とされている団体です。

内容としては、圧倒的に「新規就農者」に対するモノが多いイメージです。

こるきち
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「滋賀県 農業 相談」で検索したら、上部にこの基金が表示されたため、まずは話を聞きに行ってみようと考えました。

伺った内容は以下のとおり、滋賀県の農業事情から担い手育成に関する情報も伺ってきました。

滋賀県の農産物の主力は「コメ」

滋賀県のイメージと言えば「コメ」と「近江牛」。

こんなイメージを持っていましたが、予想通りそれらは滋賀県が力を入れている農産物でした。

こるきち
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特に生産額ベースで見ると、都道府県別ランキングで「16位」と力を入れていることがわかります。

また減反政策により、コメの生産が抑えられていたため、「麦」や「大豆」の栽培にも力を入れていたそうです。(麦は全国11位、大豆は4位と上位に位置しています。)

こるきち
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「びわ湖」という”豊富な水資源”をベースとした“水田”が滋賀県の強みということでしょう。

農地の規模も大きく、100haの規模で栽培されている農家さんもチラホラおられるそうで、少なくともびわ湖周辺では、「コメを栽培されていない農家のほうが少ない」とも伺いました。

野菜の生産額は都道府県別ランキングで43位も、「ハウス栽培」に強み

コメや麦・大豆が盛んな一方で「野菜」に関しては、少々控えめな印象を受けました。

生産額ベースでは都道府県別ランキングで43位と、他府県の後塵を拝しています。

こるきち
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湖が主要面積を占めているため、野菜栽培の土地として”不向き”なのかもしれません。

ただし、ハウス栽培を中心とされている地域も多いそうで、施設野菜に関してはノウハウも得やすい状況にあるそうです。

ハウス栽培であれば小規模でも始めやすいため、新規就農者にとってハードルが下がるともおっしゃっていました。(露地栽培に比べると、収量や栽培が安定するからです)

滋賀県立農業大学校の概要

わたしは京都市在住のため、これまでは「京都(綾部)」の農業大学校については調べていたものの、「滋賀(野洲)」の農業大学校については存じ上げておりませんでした。

しかし、同じ農業大学校ではあるものの、伺うと微妙に「条件」や「概要」が異なりましたので、それぞれの特徴をまとめておきます。

京都(綾部)滋賀(野洲)
受入れ年齢制限40歳未満65歳未満
修業年数2年養成科2年
就農科1年
年間授業料118,800円養成科118,800円
就農科 59,400円
入学金5,650円不要
専攻分野計2種類
・茶業経営コース
・野菜経営コース
計3種類
・農産
・園芸
・畜産
通学手段完全入寮制自宅からの通学可
備考卒業後5年以内に就農すれば授業料は返還不要就農科の場合は、農地の確保ができていることが前提条件
タイトル詳細を見る詳細を見る

受入れ年齢の制限は、京都の40歳未満に対して滋賀は65歳未満と緩和傾向にありました。

また京都は「全寮制」であることに対して、滋賀は「自宅からの通学」も可能です。

さらに京都では2年間修業期間が必要ですが、滋賀は「就農科」という「1年制」の科も用意されていました。

こるきち
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滋賀のほうが、就農に対するハードルを低くしてくれていることに感動しました。

ただしデメリットもあります。

就農科を専攻する場合は、新規就農することを前提とされており、すでに農地を取得していることが条件とされていました。

こるきち
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農地の取得がネックになっている方も多いそうです。

地域別の作物栽培状況と特徴

滋賀県農林漁業担い手育成基金

わたしの場合は滋賀県の大津・草津・守山あたりをベースに考えていたため、その周辺エリアについてご教示いただけました。

大津エリア

大津はびわ湖の西側から南側まで広域にあるため、総じては言いにくいとのことでしたが、主力はやはり「コメ」だそうです。もちろん野菜を栽培されている農家さんもおられますが、基本的には水田を有効活用しているケースが目立ちます。

主力的に栽培されている野菜
・すいか
・いちご
・近江かぶら
・小松菜
・ねぎ
こるきち
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JAが多く、利便性のある地域ともおっしゃっていました。

草津エリア

草津については、駅周辺は高層マンションで埋め尽くされているものの、車で15分ほど走れば水田や畑がたくさんあります。畑に関しては2,000棟ほどの「ハウス」が建ち並ぶ地域でもあり、のちほど伺ってみると新設されたであろうハウスも点在していました。

ハウス栽培は、天候の影響が少ないため、露地栽培より安定的な収穫が見込めるでしょう。水資源が豊富な地域性も相まって今のところ一番気になっている地域です。

主力的に栽培されている野菜
・草津メロン
・ねずみ大根
・いちご
・水菜
・小松菜
・ほうれん草
・ねぎ
こるきち
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「住みたい町ランキング」でも上位5傑に位置するなど、総合力の高い地域でもあります。

のちに、この草津を管轄する「市役所」にお世話になりました。

守山・野洲エリア

大津や草津に比べると、少々田舎感はありますが、農業政策に関しては積極的な印象を受けました。

何と言っても有名なのは「守山メロン」。

メロン栽培者の後継者育成を目的とした「メロントレーニングハウス」で研修を受けられる制度もあるそうです。

主力的に栽培されている野菜
・守山メロン
・ブルーベリー
・大根
・春菊
・梨
・アスパラ
こるきち
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守山メロンを作るための資金を最大370万円補助する市独自の制度もあるそうで、普及活動にも精力を出している守山市にもまた、魅力を感じることとなりました。

具体的な案内

担当者には以下のようなわたしの現状についても説明をいたしました。

  • 現在は会社員として働いていること
  • 週末や有給休暇時に京都の2か所に農家でお世話になっている点
  • 親戚に農家はいないこと
  • 三重県(妻の実家)に近い滋賀県が就農の有力候補であること
  • ただし「何を」「どこで」作るのかは未定であること
  • 研修先やその他の農家と関われる機会を探していること

そのうえで、以下のようなアドバイスをいただきました。

  • 各市役所の農林水産課に相談へ行くこと
  • 農業体験ができる受入れ先を探すこと(数社挙げていただきました)
  • そのうえでどんな農業をしたいか考えること
  • 農業大学校に行くのも一案(様々な作物に触れるため視野が広がる)
こるきち
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正直なところ、方向性の決まっていないわたしに対して、担当者は少々困っておられました。(すいません)

とは言え、情報は取得できたため早速「草津市役所」に向かうことにしました。

「草津市役所」で伺った内容

草津市役所

草津市役所には、昨年度から農林水産課に「就農支援」窓口を設けており、新規就農者の相談を受け付けておられました。

おもな滋賀県の農業情勢は、すでに育成基金のほうから伺っていたため、市役所では具体的な話を伺いました。

こるきち
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ちなみに京都から出向いてきたのはわたしが初とのことで、担当者は驚いておられました。

「指導農業士」の農家で研修を受ける方法

草津市役所

草津市には約5〜6名の指導農業士がおり、希望する作物に合わせて最適な農家を紹介してもらえるそうです。

基本的には「無賃」での労働になるため、研修期間中の生活資金確保ができていることが条件ですが、数多くの農家を排出されているようです。

数社の研修先の案内もいただきました。

直近開催される「農体験イベント」の案内

直近開催される農業体験イベントについての案内もいただきました。

  • 平和堂が主催するトマト栽培体験
  • 研修先にも登録されている農家2社への農業体験
  • 農業大学校のオープンキャンパス

イベント先の概要は以下↓↓

平和堂ファーム
スーパー経営をしていることでも知られている平和堂の農業部門。
野洲でハウス栽培をメインに「いちご」「ミニトマト」「小かぶ」を栽培されているそうです。
地域の発展と、食品流通経路の確保といった意味合いで、自社栽培されているそうで、農業の抱える問題解決の一環として体験サービスも提供しているとのことです。
横江ファーム
草津市の北山田町に拠点を置く「葉物野菜」農家。
小松菜・水菜・壬生菜・ほうれん草といった品目を、約40名くらいの従業員で栽培されています。
のちに直接伺ったら、売上規模は2億円を超えるとのことで、同地域では指折りの規模感を持つ農業法人でした。
たぶち農場
草津市の北山田町に拠点を置く個人農家。
小回りが利く個人農家のため、栽培品目は多数ありますが、メインは「草津メロン」と「カリフローレ」の栽培。
農業に触れたい方を受け入れる機関としても活動されており、「農業をおもしろいモノにしたい」という理念をお持ちの方でした。

滋賀県農業大学校の案内

上述したとおり、農地を取得していることが「就農科(1年制)入学」の条件でしたが、「養成科(2年制)」のほうも伺ってみることに。

しかし養成科は、高校新卒の受入れが基本となっているようで、この場では「案内できない」と伝えられました。

こるきち
こるきち

しかし後日、「やっぱり新卒でなくても受入れは可能」と訂正のご連絡をいただけました。

オープンキャンパスの案内もいただきましたが、すでに応募期限が切れていましたw

とはいえ学校に問い合わせると「学校見学はいつでも受け入れOK」だそうですので、機会を伺って行ってみようとも思います。

こるきち
こるきち

個人的には、農地の取得をして「就農科(1年制)」で学びたいと思っているため、入学は先送りになりそうです。

滋賀県農業大学校の詳細はこちら

わたしが選んだのは、提携先の農家での「農業体験」

上記の内容から、選択肢は以下のようになりました。

  1. 体験イベントへの参加
  2. 作物を決めて研修機関へ応募
  3. 従業員として働ける農家を探す
  4. 農業大学校(2年制)への応募

後日、上記の中からわたしが選んだのは、研修先2社への「体験イベント参加」でした。

体験イベントの概要
2025年10月~2026年2月の間に6~10回程度、2社の農家さんのもとで農業体験をさせていただく。
募集人数は3名。
応募後は、市役所との面接で受入れの可否を決定し、体験元の農家さんに紹介する流れ。

従業員として農家で働くことは、過去の経験上「なし」でした。

おそらく従業員になってしまえば「研修生」ではなくなり、生産性を高めることに注力させられます。技術やノウハウの修得が大幅に遅れるでしょう。

農業大学校で学ぶことも考えましたが、こちらも農地取得をしていないわたしにとって「なし」でした。

「就農科(1年制)」ではなく「養成科(2年制)」に入学する必要があるからです。

農家は自然を相手にするため、「豊富な経験」がモノを言う仕事でしょう。

こるきち
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基礎を学んでいち早く「実践」の場に飛び込みたいと思っていました。

作物を決めて研修機関へ応募する方法も考えましたが、選択肢(情報や経験)がないまま「慌てて選んでも良いことはない」と思い、決断には至りませんでした。

まとめ

滋賀県農業体験イベント

まとめると今回、育成基金や市役所などで伺った滋賀県の農業事情は以下です。

  • 滋賀県の主要農産物は「コメ」(都道府県別ランキングで16位)
  • 一方で野菜栽培は少数派である(都道府県別ランキングで43位)
  • 野菜はハウス栽培が盛んで少数精鋭なりの戦い方が確立されている
  • びわ湖周辺は「平野」が多く、獣害の心配が少ない
  • 一方で信楽や甲賀あたりは中山間のため、びわ湖周辺に比べて冷涼だが獣害被害もある
  • 市としては「守山メロン」や「草津メロン」を売り出している
  • 「農業大学校」の受入れ体制はあるが、就農科を選択する場合は「農地確保」が条件
  • 「研修先農家」も複数あり、「体験イベント」も催している

わたしの場合、「何を」「どこで」「どのように」作って、どんな経営をしていきたいのかは全く決まっていませんでしたが、実際に足を運んでよかったと思います。

こるきち
こるきち

全体像がボンヤリしているわたしにとって、方向性を考える材料となりました。

今後は体験させていただく農家さんから、「生の声」「現地の事情」などを伺いつつ、自身の目指す姿が構築できればと考えています。

農業大学校については、大まかな方向性や農地の取得見込みができた段階で検討することにしました。

どうすればいいのかわからない時は、

  • 人に会ってみる
  • 生の声を聞きに行く
  • 自身の思いや考えを話してみる

といったことが重要になってくると、身を持って感じました。

「知らない状態」で考えても答えは出ないでしょう。

その行動が無駄になることを恐れず、主体的に動くことを常に意識しておきたいですね。

なお、この記事は10月末に執筆していますが、相談に伺った日は8月です。(遅すぎやろw)

もう少しアウトプットのスピードも高めることを誓って、結びとさせていただきます。

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