「青ネギの栽培って簡単かな?」「できるなら自宅で獲ってみたいな」
こんなことを考えたことはないでしょうか?
プロ農家がこぞって参入する青ネギ栽培は、実は家庭菜園においても「栽培が極めて簡単」な作物と言っても過言ではないでしょう。

なんと言ってもネギ栽培の魅力は「苗を植えるだけ」という手軽さにあります。
ベランダにネギが植えてあれば、スーパーで購入せずとも家庭の食卓を彩ることも、ぜいたくにネギ鍋やすき焼きなどもやりやすくなるでしょう。
土に埋まっていれば早々に傷む心配もなくなるため、「必要なときに必要な分だけ」という過不足のない使い方もできます。
手軽なのに「家計」と料理の「食味」を下支えしてくれるということです。
しかし、そんな簡単なネギにも「注意点」や「要点」は存在するため、何も知らないまま始めると失敗するかもしれません。

そこでこの記事では、脱サラして農家になることを目指している会社員が自身の栽培記録を通して「感じたこと」や「留意点」をまとめてみました。
わたし自身は、ベランダでの家庭菜園や、休日に農家さんのもとでアルバイトをしているだけの「素人」であるため、初心者の気持ちや考えは比較的理解できます。

「難しい内容」ではなく、自身の「経験ベース」からカンタンにお話していますので、家庭菜園初心者や農業に興味のある方にとって参考になるでしょう。
- どんな道具を準備したのか
- 何を学んだのか
- 特性や注意点
なども含めて解説していますので、必要な部分だけでもご高覧ください。
結論から申し上げますと、わたしが行った九条ねぎの「栽培フロー」や「感じたこと」は以下です。
- 【2/9】苗を購入して定植
- 【3/16】初収穫
- 【4/16】ねぎ坊主が発生
- 【6/13】ねぎが細くなり出す
- 【8/18】ねぎが極めて細くなっている
- ねぎ栽培で学んだことや留意点
- ・植え付け時はグラグラ(不安定)に植える
・土は成長してから被せる
・水やりを頑張る必要はないが、肥料切れに注意
・ねぎ坊主は早めにカット(天ぷらにするのがオススメ)
・風が強いと倒れるため定期的に収穫したほうが良い
・半年も経てばねぎが細くなる(永遠栽培は不可)
・後作にナス科は向かない
九条ねぎの概要

九条ねぎは、葉ネギの中でも特に人気が高く、家庭菜園でも育てやすい品種として知られています。
葉の内側がねっとり甘く、薬味はもちろん、加熱してもその風味が失われにくく、料理の味を一層引き立てます。

種から育てると1年以上かかるため、わたしは「抜き苗」というある程度大きくなったネギを土から引き抜いたモノからスタートしました。
ねぎ栽培に対する基本概念

葉ネギを栽培するうえで理解しておきたい概念は以下です↓↓
- 耐寒性に優れている
(生育適温は15~25℃程度だが対応温度は幅広い) - 乾燥に強い
(水やり頻度は少なめでOK) - たくさんの肥料を食う植物
(適宜追肥が必要) - 再生するタイプの植物
(切ったらまた生える)
耐寒性に優れている
多くの野菜が「寒さ」に対して弱い中、ねぎは寒さに強いのが特徴。
「成長スピード」は鈍化しますが、冬場の九条ねぎは、甘みが増してとろけるような舌触りになります。
乾燥に強い
乾燥に強いのもねぎの特徴のひとつで、水やりの手間が大してかかりません。

うちは4~5日に1回水やりする程度です。
むしろ水分が蒸発しにくい寒い時期に水をやり過ぎると、「軟腐病」という根元が腐る病気になるリスクも上がるため、注意しておきたいところです。
たくさんの肥料を食う植物
ねぎは他の植物に比べて肥料を大量に食う植物でもあります。

肥料分が無くなると、ねぎの色がどんどん青から黄色へ変わっていくので、サインを逃さず追肥してやりましょう。
再生するタイプの植物

ねぎは根が残っていれば、再び生えてくる「再生植物」でもあり、長く栽培を楽しめる特徴も兼ね備えています。

スーパーで根付きのねぎを買って植えれば、ほぼ無料でねぎ栽培を楽しめます↑↑(品種は不明ですが)
栽培に挑戦した理由

栽培に挑戦した理由は以下です。
- 料理への使用頻度が高いから
- 他の植物の病害虫予防になる
- 土壌改良剤にもなる
料理への使用頻度が高いから
まず前提として、わたしはねぎが大好きで、よく消費します。
一気に大量に使うモノでもないため、腐る心配のない土の中で管理していれば、ロスも少なく経済的だと考えました。

案の定うちでは事あるごとに、ベランダから必要な分だけねぎを収穫しています。(非常に便利です)
他の植物の病害虫予防になる
ねぎは他の植物の病害虫予防になる点も見逃せません。
別の植物の近くに植えると、相性の悪い病害虫から守ってくれます。
うちの場合は、近くに「じゃがいも」や「トマト」も植えていたため、ねぎパワーを頂戴しました。

このように相乗効果が見込める植物を「コンパニオンプランツ」と言います。
土壌改良剤にもなる
ネギはしっかり根を張る植物のため、以下のようなロジックで土壌が改良されます。
- 張った根が土の中で枯れる
- その隙間に微生物が集まり「団粒構造」を作る
- 土壌がふかふかになり、水はけや通気性が改善される
特定の病原菌の抑制効果もあるため、後作に向く作物もたくさんあります。
プロのねぎ農家さんに話を伺う限り、トウモロコシやほうれん草などはネギの後作に向くそうです。

ただし「ナス科」の植物(ピーマンやトマト、じゃがいもなど)とは相性がそこまで良くないそうですので、注意しましょう。
利用した資材

準備したモノは以下です。
- 長方形プランター
- 石(プランターの底敷き用)
- 野菜用培養土
- 追肥用肥料(発酵鶏ふん)
プランターはは深さ20cm、幅45cmを用意しました。6か所(1か所3~4本)植えています。
培養土にはあらかじめ肥料が含まれているため、追肥用肥料はあとから購入してもOKです。

肥料養分に関しては、N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8などバランスの良いモノを選ぶと良いそうなので、わたしは「発酵鶏ふん」をチョイスしました。
植え付け手順

植え付け手順は以下です。
- 根本から5~10cmほど上部でカット
- 株間15cmで1か所に3~4株まとめて植え付け
- 土全体に行きわたる程度に水をやる
苗の植え付け適期は、春(3月中旬~4月下旬)か夏(7月上旬~8月上旬)とされていますが、これはあくまでも種から育てた(小さい苗を植える)場合の話。
わたしのように「抜き苗」を植えるだけなら、ぶっちゃけいつでもOKです。

うちは2025年2月9日に植え付けました。
根本から5~10cmほど上部でカット
ねぎはカットした位置から再生してくるため、植え付ける前に生やしたい部分でカットする必要があります。
わたしの場合は、おおむね根本から5~10cmくらいの位置でカットしました。
高さが低くなるため、植え付けたあとに「根が活着していない間に風が吹いて倒れる」という心配がなくなります。

根についてはカットしてもしなくてもどちらでもOKです。また生えてくるので邪魔なら3cmくらい残してカットしましょう。
株間15cmで1か所に3~4株まとめて植え付け
1本ずつ植えると、風邪で倒れる恐れもあるため3~4株まとめて植え付けしました。
植える「深さ」は根本が隠れる(2~3cm)程度にして、成長過程において土を盛っていくようにしました。

ネギはグラグラするくらいに不安定に植え付けるのがミソ。土の圧が強いと横に太ってくれないからです。
株間は特に意識する必要はありませんが、15cmくらい空けておくほうが収穫する時の作業性が良くなります。
土全体に行きわたる程度に水をやる

植え付けたあとは、水をやるだけです。
乾燥に強い植物のため、土全体が湿るくらいに留めておきましょう。

水はけが悪いと病気になりやすいので、水を与えすぎないように注意してください。
栽培期間中に実施したことは「水やり」と「追肥」のみ

栽培期間中は水と肥料さえ定期的に与えてやれば、他にやることはありません。
- 水は5日~7日に1回くらい
- 追肥は2~3週間置きに1回くらい
が目安ですが、水は土の湿り具合を確認して与えましょう。

追肥はもっと感覚を空けてもOK。与えすぎると病害虫が発生しやすくなるため、ネギの色が黄色くなってきてからで結構です。
栽培を通して「感じたこと」と「学んだこと」

わたしが栽培を通じて発見したことや学んだことは以下です。
- 土を被せた部分が白くなる
- ねぎは肥料食いの植物であること
- 風にめっぽう弱い
- ねぎ坊主は早めにカットするべし
- カット(収穫)すればするほど細くなっていく
- 後作に「ナス科」は不適合
土を被せた部分が白くなる

アホみたいな話ですが、ねぎは土で覆われている部分が白くなることに栽培途中で気付きました。

つまり、白ネギを作りたければ、土をたくさん被せれば良いわけです。
ねぎは肥料食いの植物であること

また前述したとおり、ねぎは肥料食いの植物です。

うちで育てているねぎも、最少は青かったのですが、今は黄色がかってきました。
N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8などバランスの良い肥料を適宜入れる必要があります。
風にめっぽう弱い

ねぎは成長すると背が高くなるため、風に弱くなります。

うちも何度倒されたことか…
- 1株として植える本数を増やして安定感を出す
- 早めに収穫して召し上がる
などといった対策をすることをオススメします。
ねぎ坊主は早めにカットするべし

ねぎ坊主とは、ねぎの先に出来る花の蕾のこと。(※別名「トウ立ち」と言います。)
ねぎ坊主が出来たねぎは、どんどん硬くなっていくため、早めに摘んでおきましょう。

ちなみに、ねぎ坊主は「てんぷら」にすると美味しいみたいです。(ねぎ農家さんから最近伺いました)
カット(収穫)すればするほど細くなっていく

ねぎは前述したとおり、根がある限り再生する植物です。
ただし、カットを(長期間栽培)すればするほどネギは細くなっていきます。

わたしのアルバイト先のねぎ農家さんの話によると、3回カットしたら根から引き抜いて終了するそうです。(栽培期間で言うと約1年)
経年による品質劣化は覚悟しておきましょう。
後作に「ナス科」は不適合
ネギの後作に、当然ネギはできないわけですが、「ナス科」の植物も適しません。
ネギ(ヒガンバナ科)とナス科は同じ土壌成分を奪い合い、土壌病害(青枯病など)やセンチュウ被害を共有・悪化させやすいためとされています。

ねぎ農家のお父さんに伺うと、ねぎの後作は野菜なら「とうもろこし」や「ほうれん草」「ブロッコリー」「キャベツ」などがおすすめだそうです。
以下のような「ナス科」の作物は、ネギの後作にしないほうが無難でしょう。
- 主なナス科の作物
- 茄子・トマト・ピーマン・パプリカ・とうがらし・ししとう・じゃがいも
まとめ

九条ねぎ栽培を実践してみて一番感じたことは、思った以上にカンタンかつ便利だったこと。
これまではスーパーで購入する必要がありましたが、今は必要なときにベランダから必要な分だけ獲ってくればいいので、柔軟性が上がりました。
また「水」を1週間以上やらない場面もありましたが、全然へっちゃらでした。

横着(手抜き)栽培をしたい方にとって、都合の良い作物ではないでしょうか。
また半年経った頃くらいから、ネギも細くなってきました。(現在はもはや細ネギですw)
この要因が肥料不足なのか、水をやるうちに土が固くなってきている(ネギが横に太れない)のかわかりませんが、次回はどちらも注意しようと考えています。
- ねぎ栽培でおさえておきたいポイント
- ・植え付け時はグラグラ(不安定)に植える
・土は成長してから被せる
・水やりを頑張る必要はないが、肥料切れに注意
・ねぎ坊主は早めにカット(天ぷらにするのがオススメ)
・風が強いと倒れるため定期的に収穫したほうが良い
・半年も経てばねぎが細くなる(永遠栽培は不可)
・後作にナス科は向かない

ちなみに「べと病」という病気にかかったら、土を捨てたほうが良いです。
菌が簡単に取れないため、そこに植えるとまた同じ病気が発症するからです。
仮に畑で「べと病」になってしまった場合は、「田んぼ」にしましょう。
わたしがお世話になっているネギ農家のお父さんの話によると、田んぼにすることで有害な菌を水洗(または溺死)したり、偏った養分をイネが吸い上げたりしてくれるらしいです。
ネギは暑い時期も寒い時期も継続的に栽培できるため、いつでも気軽に始められる作物と言えるでしょう。
「水やり頻度が少なめで放任栽培できる」というアドバンテージもあるため、初心者にとってもチャレンジしやすい品目と言えるのではないでしょうか。

後作にナス科を選択すると病気が発生しやすくなるため、別の科を植える予定のプランターに植えたほうが無難です。
調理するときに嫁に対して「ねぎ買ってくるわ~」ではなく、「ねぎ刈ってくるわ~」というセリフに変わった38歳の就農を目指すおじさんの物語でしたw
